ピーカーブーシナリオ「Big tree(大木のなぞ)」
ピーカーブーのシナリオを考えてみました。
ご近所メルヒェンRPG ピーカーブー 改訂版 (Role&Roll Books)
- 作者: 河嶋陶一朗,落合なごみ,冒険企画局
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2017/04/15
- メディア: 単行本
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はじめに
スプーキーにやることが少ないと思い、自由に実体化させて人間と同じ判定をしてもらおうと思った話です。
公式サイトで見れる「オバケ風邪流行中!」の固定イベントと情報イベントをかなり参考にしました。
このゲームに慣れきってる人で、スプーキーも苦じゃないようなメンバーなら実体化魔法を入手するイベントは無視してもいいと思います。
完全に初めて作ったシナリオなので間違え等があるかもしれませんが、そこら辺はプレイ中にフィーリングで修正していこうと思います。
あらすじ
イノセントの通う学校に一夜にして巨大な木が融合しました。多分ハグレオバケの仕業です。PCたちはこの大木を排除することができるでしょうか?
シナリオ
□導入イベント1:イノセント用
月曜日の朝、イノセントが学校に登校すると、学校が大木と融合していました。ですが、生徒達は何も気にせず登校しています。イノセントと同じクラスの友人達もイノセントに挨拶しつつ、普通に大木と融合した学校へ入っていきました。どうやらイノセントやオバケでなければこの木は見えないようです。
木に触ったりするなどの行動:判定なし
→木をすり抜けて校舎に触れる事ができる。どうやら透明な木のようだ。
学校の中に入る・入らないをPCに聞き、それによって最初の学校フェイズが分岐。
□導入イベント2:スプーキー用
そこら辺をフラフラしていたスプーキー達の前に、「ま女ふぁそら」を名乗る女の人がやってきました。
「長老の使いでお手紙をお届けに参りました。」と言い、スプーキーに手紙を渡します。
手紙はスプーキー達の目の前で燃え尽き、その炎が空中で文字になり浮かびます。
『小学校の木はどう考えてもヤバいので調査と駆除を頼む』とオバケ語で書いてあり、スプーキーがなんとなくそれを眺めていると、ふぁそらが「確かにお届けしたんで、よろしくお願いします。私も駄菓子屋に待機してるので、何かあったら来てください。」といい、箒にまたがり飛んでいってしまいました。
NPC「ま女ふぁそら」
女子高生ぐらいの魔女。魔では無いという持論によりわざわざひらがなにしている。
駄菓子屋の魔女ギルドに属し、オバケ界と人間界との連絡係をしている。
ここから学校フェイズですが、イノセントは導入イベントや2日目以降の学校フェイズに学校に入る・入らないで話が分岐します。
学校に入る:普通に学校イベントをプレイしますが、「学校全体に不思議な魔力が満ちており、クラスメイト・先生は少しダルそうにしている。PC自身も少しエネルギーを吸われている感覚がある」という情報を得て、学校イベント終了時にどんな結果であっても眠気が1点増えます。
学校に入らない:明らかにヤバそうな気配を感じ、学校に入らないことにします。
《隠れる/不良9》で判定をしてください。
成功した場合は校門に立っている先生達から隠れて逃げることが成功し、学校イベントを無視して自由行動を1回できます。
失敗した場合は校門に立っている先生に見つかり、しこたま叱られた後に学校に連れ戻されます。くどくど説教されたので眠気が1点増え、学校に入ったのと同じ処理を行ってください。
放課後フェイズの時も、木になっている建物の中にいる場合は1サイクル終了する毎に眠気が1点増えます。
□固定イベント1「’(ダッシュ)実体化」
スプーキーのPCが駄菓子屋に行った時に発生するイベントです。ふぁそらが店番をしています。「あ、来ましたね。」とスプーキーに声をかけてきます。
話を聞くと、「今回の任務、ちょっと人手が足りないみたいなんで、あなた達にも積極的に手伝ってもらいます。オバケの手も借りたいんです」と言い、スプーキーに魔法をかけてきます。
PCのスプーキーは「’(ダッシュ)実体化」の魔法を一時的に覚えました。
魔法『’(ダッシュ)実体化』:自分のイノセントと同じ姿になり、人間として行動できます。魔法の「実体化」と同じですが、以下の制限がつきます。
1.判定はオバケ判定ではなく、自分のイノセントと同じ特技で判定します。
2.頭の上に'が付いているだけでイノセントと全く同じ姿なので、イノセントと同じ場所には移動できません。なので、お助け判定も使用することができません。
3.オバケに戻りたい時はサイクル中いつでもオバケに戻ることができますが、オバケから人間、人間からオバケになる時は1サイクル挟んでからしか変身することはできません。
4.持続時間は無制限で続けることができ、この魔法を使うのに魔力は必要ありません(ふぁそらが使うため)
5.持っているアイテムも同じものを使う事ができます。
□固定イベント2「超育つ園芸店」
PCが園芸店に行った時に起こるイベントです。園芸店では新しく入荷した植物活力液「HBX01」が飛ぶように売れています。
「君の小学校にも大量に仕入れさせてもらったよ。いっぱい育つといいね!」と店員さんが話してくれます。 (育さんが出ていない場合)「そういえば、君ぐらいの年齢の女の子がHBX01の事を聞きに来てたなぁ。思いつめた顔をしてたから、学校に仕入れたって教えてあげたら急いで学校の方へ走っていったよ」
□固定イベント3「増える大木」
2日目の学校フェイズ前に起こるイベントです。朝、PC達が自宅の窓から外を見ると、大木が生えている施設が増えている事に気づきます。
どうやら商店街の中にある園芸店と公園が大木と融合しているようです。
大木と合体してる施設にPCが行った場合、1サイクル終了する毎に眠気が1点増えます。
□固定イベント4「ひっつき虫」
2日目の学校フェイズに起こるイベントです。朝、登校してみるとクラスメイトの服にひっつき虫がついているのが見えます。ひっつき虫はうっすらと赤く光っています。
クラスメイト自身には分からないらしく、どうやらイノセントにしか見えないようです。
イノセントは自分自身にもひっつき虫がついているのに気がつきます。どうやら自分の力では取れないみたいです。
□固定イベント5「用具倉庫」
PCが「用具倉庫」に行った場合、発生するイベントです。用具倉庫の中には巨大な赤い種子がありました。
どうやら学校に生えた木が吸い取ったエネルギーはこの種子に流れ込んでいるみたいです。
PCが近づくと「強いエネルギーを感じる…そのエネルギー…いただきます!」と種子から魔力が吹き出し、学校全体がオバケ屋敷に変化していきます。
オバケ屋敷へ移行します。
□固定イベント6「Big tree」
3日目のはじめに起こるイベントです。
朝、イノセント達が目をさますと、外から魔力が吹き出すような音が聞こえます。思わず窓をあけたら、住んでいる町のありとあらゆる場所から大木が生えてきて、町が森のようになってしまいました。
このイベントが起こると全てのサイクルの終了時にイノセントの眠気が2点増え、全てのイノセントの眠気が30点になった場合、ゲームは終了します。
□情報イベント1「怯える植物係」
場所:学校、学校の友達がいる場所(学校で判定すると判定に+2修正)
判定:《おしゃべり/友達7》
友達と話をした時に分かる情報です。
失敗:生徒達は少しダルそうにしていますが、大木と融合したことも全く気にせず学校の校庭で遊んでいます。
成功:植物係の育(はぐくむ)さんが「学校に木がついてる」といい、様子が変だという話題を耳にします。
□情報イベント2「逃げる植物係」
場所:学校(学校で判定すると判定に+2修正)
判定:《かけっこ/運動7》
育(はぐくむ)さんに話を聞いた時に分かる情報です。巨大な木の話を聞いた所、サッと青ざめて全力で逃げていきます。
失敗:育さんは逃げてしまいました。GMはマップを用意して、育さんが移動した大体の方向を教えてあげましょう。そこに育さんを移動させ、PCと会った場合また逃げ出し、同じ判定をしてください。
成功:育さんを捕まえ話を聞くと、学校に生えてる木に元気がなかったから、用具倉庫にあった植物活力液を使ったら翌日学校が木になっていたという事を話してくれます。
用具倉庫に行けるようになります。
NPC「草木育(くさき はぐくむ)」
イノセントと同じクラスの植物係をしている女子です。
感受性が強く、スプーキーは見えないものの、オバケの起こした異変を見ることができます。
□情報イベント3「園芸店の新製品」
場所:商店街、家でお母さんに聞く
判定:《生き物/勉強4》
失敗:商店街にある園芸店に新商品が入荷したという情報と、園芸店の場所が分かる。
成功:園芸店で新発売した植物活力液HBX01がとても評判で飛ぶように売れている。植物がみるみる元気になる赤色の液体であるという情報と、園芸店の場所が分かる。
□情報イベント4「ひっつき虫を壊す」
場所:どこでも
判定:魔力を1点減少させる。
イノセントについたひっつき虫を調べると分かる情報です。この情報は、スプーキーが魔力を1点減少させると調べることができます。イノセントが調べようとすると失敗の結果がわかります。
失敗:どうしてもひっつき虫は取れません。スプーキーならばもっと分かるかもしれません。
成功:スプーキーがひっつき虫に魔力をかけるとひっつき虫はバラバラになり、赤いエネルギーが学校の用具倉庫へ流れていくのが見えます。
イノセントは目が覚めたような気分になり、眠気を1点回復させることができます。
用具倉庫へ行けるようになります。
□情報イベント5「ふぁそらのいる駄菓子屋」
場所:駄菓子屋・ふぁそらの事を調べようとする(駄菓子屋で判定すると判定に+2修正)
判定:《恋愛/大人11》
イノセントのPCが駄菓子屋に行くか、ふぁそらの事を調べようとすると得られる情報です。(ふぁそらの事を調べようとするとふぁそらの方から飛んでくる)ふぁそらが恋バナを聞きたがっています(なので恋愛判定)。
失敗:大木の中に入った人はみんな赤く光るひっつき虫がついているという事が分かります。
成功:失敗判定で得られる情報と、園芸店で売っている植物活力液が同じ輝きをしているという事がわかります。
判定が終了した後、スプーキーが駄菓子屋に来ていなかった場合、「君たちの相棒のスプーキーを連れてきなたら便利なものをあげるよ」と伝えてください。
オバケ屋敷
このシナリオのオバケ屋敷は学校の用具倉庫です。部屋数は6で、1部屋目、3部屋目、5部屋目、6部屋目に固定イベントが設定されています。
□固定イベント「根の触手」
1部屋目のイベントです。
大木の根っこの部分にいます。PC達が先に進もうとすると、根っこがうねうねと動き出し、イノセントに絡み付こうとしてきます。《とぶ/運動6》の判定をしてください。失敗すると触手に縛り上げられエネルギーを吸われ、眠気が2点増えます。
一人でも失敗した場合、追加でオバケ屋敷イベントが発生します。
□固定イベント「粘度の高い樹液」
3部屋目のイベントです。
大木の真ん中あたりまで到着しました。
幹から非常に美味しそうな樹液が出ています。スプーキーはオバケ判定をしてください。契約してるイノセントが《生き物/勉強4》を持っている場合判定に+2修正、《宇宙/勉強3》《工作/勉強5》を持っている場合判定に+1修正することができます。失敗すると思わず樹液を舐めてしまい食あたりをおこし、魔力が2点減少します。
□固定イベント「ふぁそらの救援」
5部屋目のイベントです。
突如、オバケ屋敷の壁をぶち破り、ホウキにまたがったふぁそらが飛び込んできます。「いやー、遅れてごめん!手伝いに来たよ!」と言い、魔力か眠気が一番高いPC一人に特製の飴をくれます。
PCがその飴を舐めると気分がスッキリし、魔力/眠気が1D6分回復します。「今度お店で売ろうと思ってた商品だけど、ちゃんと効くみたいだね」と納得しています。「なんかこの部屋は私が壊しちゃったみたいだし、ここのギミックは壊しちゃったみたいだね。それじゃあ、あとはよろしく!」とPC達を送り出します。
《推理/大人6》で判定をしてください。成功した場合、ここで休めるような気がしてきます。誰かがのぞむなら、自由行動を一回行うことができます。
□固定イベント「冬虫夏樹」
6部屋目のイベントです。
大木のコアとなる、巨大な赤い種子のある場所にやってきました。赤い種子を取り囲むように大きめの赤いひっつき虫がイノセントの数×1体襲いかかってきます。ひっつき虫自体はそこまで怖くないので、恐怖判定は行いません。
ひっつき虫を全て倒す、または戦闘開始から3サイクルが経過した後、巨大な種子がゆっくりと割れていき、中から冬虫夏樹が現れ、PCたちに襲いかかってきます。恐怖判定を行ってください。
冬虫夏樹の【魔力】が0になると、冬虫夏樹はコバケになってしまいました。それと同時に大木が朽ち果てていき、PC達は学校の屋上にいたことに気づきます。
「お疲れさーん。コバケの回収に来たよ」と言いながら、ふぁそらがホウキで屋上まで登ってきました。
ひっつき虫
レベル:0 攻撃力:-2
弱点:《投げる/運動9》
魔力:4
◯◯◯◯
「ひっつき」
コスト1。イノセントかスプーキー1体を選びます。
イノセントは《打ち返す/運動11》の判定に成功しない場合、ひっつき虫からエネルギーを吸われ、眠気が1点増えます。
スプーキーはオバケ判定の判定に成功しない場合、ひっつき虫からエネルギーを吸われ、行動済みになります。
解説:大木のコアとなる巨大な種子を守るひっつき虫です。自分から攻撃をすることはなく、対象にひっついて行動を妨害し、種子を守ります。
冬虫夏樹
レベル:1 攻撃力:1
弱点:《木登り/運動3》
魔力:25
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
【防御力:X】
このオバケの防御力は場にいる「ひっつき虫」と同じ値となる。防御が成功した場合、「ひっつき虫」1体を破壊する。
「大木の中心」(常駐)
このオバケは場にいる「ひっつき虫」の数だけ判定に+の修正をする。
「種子発射」
コスト3。判定が成功した場合、場に「ひっつき虫」1体を生み出す。
解説:オバケの魔力を感知し、町から町へと移動してくるオバケ胞子。一つの町に根を下ろし、魔法の森を作って魔力を根こそぎ吸い取ろうとする。夢は宇宙の彼方に自分の胞子を飛ばすこと。
エピローグ
コバケをふぁそらに渡すと、「いやー、ありがとね。助かったよ」とねぎらいの言葉をかけてくれます。「これ、私からの御駄賃です」とおこづかいをそれぞれ1個貰えます。「それじゃ、また何かあったらよろしく!」とふぁそらはオバケ界へ飛んでいきました。
翌日、育さんが「学校の木がなくなったよ!」と声をかけてきました。「なんかダルいのも治ったし、夢でも見てた気分だよ」といい、植物の世話をするために走っていきました。
エネルギーを吸い取られていた人たちも元気を取り戻し、生徒達は校庭で元気に遊んでいます。
めでたしめでたし。
以上です。
来週セッションなのに遊ぶシナリオが無い!とかいう時に緊急用としてどうぞ。
私も遊んでみるので、感想を今度の日記に書こうと思います。
ほでわ。